棗の材料は、主に木材が使われるが他に、竹 アクリル 象牙 七宝 スズ 皮 金 銀
などが考えられますが、漆芸をされる作家の方は、布や和紙を漆とともに張り重ねて器型を
作る方もおられます。しかし一般には木製がほとんどでしょう。
すなわち 轆轤を回す木地師によって作製されます。
木地師は棗の大きさや形によって木取りを考え、製材し荒繰りを行い乾燥させ
何ヶ月 何年も寝かせた後望みの形に仕上げていきます。
棗には木地で用いるもの、木地に拭き漆を施し木味を楽しむ物と、木地を下地にして
さび付け 下塗り 中塗り 上塗り などを経て黒無地に仕上げさらに、蒔絵 沈金
平文 螺鈿 などを行い 華麗な棗に仕上がっていきます。
特に黒無地の下地に用いる木地は、非常に薄く仕上げます。道管を通して向こう側の
光が見えるくらいにします、その後幾十あるいはそれ以上の行程を行う間に、
漆などの重さが加わって程良い重さになるのです。
木地師にとっては高度の技術を要します。